サラリーマンは、毎月会社があらかじめ支払われる給料から所得税と住民税を天引きして支払ってくれますので、確定申告をする必要がありません。それは、確定申告というのは、この1年このくらいの収入があり、それに対してこれだけの支出があったので、その差し引きに対して、国民の義務として納税をするという仕組みです。サラリーマンの場合は、給料という収入が既に決まっていて、それに対して、会社の経理が納税事務を代行してくれますので、普通のサラリーマンは確定申告をしなくても良いのです。

ただし、サラリーマンでも確定申告をしなければ行けない人と、サラリーマンでも確定申告をした方が得になる人がいますので、その2つのパターンについてご説明をします。

サラリーマンでも確定申告をしなければ行けない人

まず、サラリーマンでも確定申告をしなければ行けない人は、次の4つのタイプの人達です。

  • 年収が2000万円ある人
  • 20万円を超える副業収入がある人
  • 2ヶ所から給料をもらっている人
  • 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人

今挙げた人たちは、法律で確定申告をすることを義務付けられている人たちですので、必ず確定申告をいなければいけません。

サラリーマンでも確定申告をした方が得になる場合

次に確定申告をした方が特にある場合についてご説明をします。

まず、医療費を10万円支払っている人は確定申告をしたほうが良いです。これは10万円以上の医療費は、所得から控除することが出来ます。そうすると、600万円年収があった人が実は20万円医療費を払っていたということになると、差し引き580万円の年間収入だったということになり、それまで支払っていた税金は600万円の収入に基づいて計算されていますが、現実的には580万円になるので、その分の所得税が還付され、住民税が減額されます。ですので、お医者さんにかかった場合に必ず領収書は取っておくようにしましょう。

次に住宅ローンを組んでいる人も確定申告をしましょう。これは住宅ローンを組んで一定の条件をクリアしていると、入居してから10年間は所得税が還付されるからです。具体的には、毎年末の住宅ローン残高と住宅の取得対価のうち、いずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されるという仕組みです。

ふるさと納税をしている人は是非確定申告をしましょう。国や地方公共団体に対して、寄付をすると、「寄付金控除」として所得控除を受けることが出来ます。

このように、サラリーマンでも確定申告をするとオトクなことがありますので、一度税務署に行くことをおすすめでします。よく税務署は怖いところを見られがちですが、それは税金を払っていない人たちに厳しいだけです。サラリーマンは既にキチンと払っているのですから、税務署など怖がらずに、一度相談に行ってみるといいですよ。