所得税の納税義務というのは、原則としては個人が負担するものですが、便宜上、法人にも所得税の納税義務が課されています。

法人が納税義務を負う場合とはどんな場合なのですか?

所得税の源泉徴収制度を実施する場合です。これは、源泉徴収の天引きをして所得税を支払う際に、いちいち個人や法人の区別を行なうのは徴収上面倒なので、便宜上、法人にも所得税の納税義務が課されているのです。

法人に源泉徴収されたものはどうなるのですか?

法人が源泉徴収によって納付した所得税は、法人税の一種の前払い的性質をもつので、法人が納付すべき法人税から控除されます。また、控除不足額は還付されます。

外国法人の場合はどうなるのですか?

日本国内で事業をしていない外国法人の場合は、法人税の代わりに所得税の源泉徴収だけで課税関係を済ませることになっています。

法人の納税義務の範囲はどうなっているのですか?

法人の形態によって、次のようになっています。

内国法人

内国法人は、国内で、利子等・配当等・給付補てん金・利息・利益・差益・匿名組合契約による利益の分配・馬主として受ける競馬の賞金の支払いを受けるときは、その所得について所得税の納税義務を負います。

外国法人

外国法人は、国内に源泉のある所得のうち、次のものを除いて、所得税の納税義務を負います。

  • 事業や資産からの所得のうち源泉徴収の対象にならないもの
  • 個人だけに生ずる給与、報酬、年金による所得

人格のない社団等

人格のない社団等は、法人とみなされますので、所得税法の法人に関する規定が適用されます。ですから、納税義務の範囲も、上記の内国法人や外国法人と同じです。