数ある中でも負担の重い住民税、通知が来るから取りあえず払ってるけど詳細はよくわからないって方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?特に普通のサラリーマン世帯では、自分で申告を行うわけではないため、よりその傾向が強いでしょう。しかし、申告しないことで損していたり、パートに出る主婦の働き方に関係が深いなど知っておくべき情報も含まれていますので、今回は住民税の概要をわかりやすく説明していきたいと思います。

住民税とは?

住民税とは都道府県税と市町村民税の総称で、基本的な考えは地域社会に必要な財源はできるだけそこに住んでいる人に負担してもらうといったものです。具体的には、救急車や、消防車、警察などの治安維持や、ごみ収集や処理といった暮らしに欠かせない機能、学校など教育機関から、公園の管理まで様々な住民生活に使われます。負担割合は、所得などの条件に応じて決定し、個人に通知され期限までに支払う仕組みです。

基本的には2種類で構成されている住民税

実は、住民税には均等割・所得割・利子割・ 配当割・株式等譲渡所得割の5種類がありますが、よく適応されるのが均等割・所得割の2つです。均等割は所得に関係なく一律に適応されるもので、道府県民税1,000円と市町村民税3,000円で4,000円と決まっています。しかし、平成26年から35年までは東日本大震災の復興財源確保のため、道府県民税1,500円、市町村民税3,500円で5,000円となっています。所得割は前年の所得に応じて金額が決定するもので割り出し方法は、所得割額=(前年の総所得金額等-所得控除額)×10%(道府県民税4%+市町村民税6%)-税額控除額ですが、都道府県によって若干違う場合もありますので、確認が必要です。

納め方も2種類ある住民税

住民税の納付方法には2種類ありますので、個別にみていきましょう。

普通徴収

個人に郵送されてくる納付書を元に、各自が金融機関や役場の窓口などで納付する方法です。納期は通常、6月・8月・10月・1月の年4回とされています。

特別徴収

実施している会社に所属している場合、6月と12月の年2回に個人の給料から天引きする形で会社が徴収し納めます。転職の際には新しい就職先に切り替える手続きを行うや、すぐに転職しない場合は一括徴収に切り替える必要があるなど、手続きがあることを失念しないようにしましょう。

いつ、どうやって金額が決定するの?

均等割・所得割共に、1月1日時点に住んでいる住所地で、前年の1月1日~12月31日の間にあった1年間の所得に応じて課税されます。引っ越しについては、1月2日以降に他の市町村に転居した場合、その年の納付先は変わず翌年から新住所での納税が開始します。

収入がなくても課税される場合がある

住民税は一律に決定されている均等割と、前年の所得で決定する所得割で決定するため、現在は所得がない場合でも納付書は送付されてきます。

失業中

現在は失業中で所得がなくても、前年の所得があれば徴収の対象になります。しかし、どうしても払えない場合は相談することもできますので、市役所に出向き担当者と直接交渉することをおすすめします。

主婦

93万円までの所得であれば、均等割の対象外です。また、100万円を超えなければ所得割についても対象外です。しかし、前年まで就業していたなどでそれを超える所得があれば、住民税の対象となることを忘れてはなりません。

故人

故人といえど前年の所得があれば課税の対象になります。年の途中でなくなった場合は、相続があることを知ってから4ヶ月以内に申告と納税を行なわなければなりません。

学生やフリーター

アルバイトやパートであっても収入があれば、課税の対象になります。年間93万円以上の収入がある場合には、納税通知が来ることを覚えておくことが大切です。

滞納するとどうなるの?

最初は納付期限が過ぎれば20日ほどで督促状が届き、納付期限が過ぎていると最初の一月は税額の4.3%、それ以降は14.6%の延滞金がかかります。いつまでも督促や警告を無視すると財産の調査が始まり、銀行口座や、勤め先なども調査されます。実際には2~3年の時間がかかり、その期間たくさんの通知のがきますが、中でも「差押え予告通知」が来たら最後だと思っていいでしょう。どうしても払えない場合は役場の担当者と話し合いをし、分割納付など身の丈に合った納付方法を検討しましょう。

給与所得以外に収入がある場合は?

利子割・ 配当割・株式等譲渡所得割が適用される場合があり、サラリーマンであっても申告が必要です。特に、FXの取引で20万円以上の収入のある方は、知らない間に申告漏れになり「無申告加算税」や「延滞税」の罰金が課せられる場合もあります。これは、株式取引では源泉徴収がありますがFXではそれがないためで仕組みを理解しておくことが大切です。